一般社団法人発達支援協会    挨拶

     理事長 髙田陽司


 この度、発達支援協会の理事長に就任致しました、髙田陽司と申します。私はこれまで、発達支援協会の立上げに携わり、11年間事務局として創始者堀田喜久男氏とともに『ことば音楽療法』を広めるために全国でセミナーを開催したり、助成金の獲得などの業務をしてきました。セミナーを全国各地で開催しましたが、どこも反響が大きく、多くの方が興味を持ってくれました。特に、発達障害や言語障害のある子どもたちの支援に携わる教育者や保護者、音楽療法士などが積極的に参加してくれました。セミナー活動を通して、ことば音楽療法の必要性を感じることができました。またことば音楽療法の指導者のご協力のもと約300名の資格者を育てることができました。全国各地でことばの障害を抱えた子どもさんや親御さんと出会い、交流し、意見交換したことで、自身の知識を深めることができました。

発達障害のある人たちは、言葉やコミュニケーション、学習や社会生活などに困難を抱えていますが、その一方で、個性や能力も豊かに持っています。発達支援とは、発達障害のある人たちの弱みを補い、強みを伸ばし、自分らしく生きることができるように支援することです。音楽は言葉よりも直感的に感じられるものであり、子どもたちの心に響きやすいです。音楽に合わせて言葉を発声したり、歌ったりすることで、言葉のリズムやメロディーを身につけたり、発語や会話のモチベーションを高めたりすることができます。また、子どもたちの感情や創造力を引き出す力も持っています。音楽を通して、子どもたちが自分らしく表現できる場を提供したいと思っています。言葉は人間の基本的なコミュニケーション手段であり、自己表現や社会性の発達に欠かせません。言葉の療育を通して、子どもたちが自分の思いや気持ちを伝えられるようになり、周囲の人との関わりを楽しめるようになることを目指しています。それには、家庭や学校や職場や地域での継続的な関わりが必要です。

子どもさんを取り巻く環境は変わってきています。しかし、発達障害のある人たちは、就職や職場での適応に多くの壁にぶつかります。今後は、経験を活かしながら、療育センターの設立に向けて取り組んでいきたいと考えています。療育センターでは、障害児だけでなく、その家族や地域の人々も巻き込んだ包括的な支援を行いたいと思っています。療育センターでは、子どもたちだけでなく、その周囲の人々にも言葉療育の方法や意義を伝えていきたいと思っています。                                  



堀田 喜久男(ほった きくお)

永久会長

堀田喜久男(1932年~2021年9月30日没 89歳)

▼受賞等 

1988年 第14回特殊教育教材教具優秀作品 

財団法人 心身障害児教育財団 銀賞 

1989年 第23回NHK厚生文化事業団心身障害福祉賞 優秀 

1989年 指導体験記録 名古屋市教育委員会指導室 特選 

1990年 教育論文 愛知県教育振興会 優秀賞 

1992年 第17回特殊教育教材教具優秀作品 

財団法人 心身障害児教育財団 金賞 

平成4年度科学研究費補助金(奨励研究(B))交付 文部省 

1993年 第42回読売教育賞読売新聞社<障害児教育>最優秀賞